子どもの教育において切っても切れないお金の話、中でも『習い事』はかなりウェートが大きい出費。気になるのは『みんなどれくらい費用をかけてる?』という点ですよね。
- 習い事はいくらかかる?いくらかけてる?
- 高いと感じても通わせている理由は?
- 習い事の費用は年収の何%が理想か?
習い事の種類・お子さんの人数・必要な用具代・場所代…意外にまとまったお金が必要です。記事の最後には費用捻出のためにみんながやってる節約術もまとめています。
子どもの習い事、月々の費用平均はどれくらい?
2019年にバンダイが行ったアンケートでは、子どもの習い事にかける費用の全体平均は13,607円とのことでした。
内訳は
- 未就学児:8,644円
- 小学1年生:12,253円
- 小学2年生:13,065円
- 小学3年生:13,866円
- 小学4年生:15,775円
- 小学5年生:16,033円
- 小学6年生:15,611円
学年が上がるほど費用も高くなる傾向で、未就学児と小学5・6年生では倍の金額になっているのがわかります。
世帯全体でどれくらい費用がかかる?
習い事を2つ以上していたり、きょうだいで別々の場所に通ったり…となれば上記金額で収まりきらない様子。
お子さんを持つ一般家庭30世帯に、現在の習い事にかかっている世帯全体費用を聞いてみると、やはり単純計算よりも上回っているようです。
このように1万円以内で納めている世帯が約1/4いる一方、3万円以上かかっている世帯も同じくらいいるという結果に。
金額が大きい世帯ほどきょうだいで通っていることが多く、「お兄ちゃん・お姉ちゃんが通っているから」という理由で費用が膨らんでいました。
そして月謝に加えて、習い事をするとき避けては通れない様々な費用も存在します。
あの習い事、総額いくらかかる?
習い事の費用は月謝だけではありません。
通っているものの内容によりますが、教材費・用具代・ユニフォーム代・施設料・管理費・交通費・合宿費用・お茶代…など挙げればキリがないほど、何かと理由をつけてお金が吸い取られます。
そこで先ほどの30世帯の方に
『これまでのお子さんの習い事で、もっともお金がかかった習い事は何ですか?また月にいくらかかりましたか?』
という質問をしてみたところ、以下のような回答が得られました。
学習塾・教室・家庭教師の費用
- 学習塾
(施設利用料・教材・テスト教材で月20000円) - 子どもの塾
(月謝だけで35,000円) - 家庭教師
(月々30,000円) - 公文
(算数と英語・二人分で29,200円) - 英会話教室
(月謝、教室管理費で28,000円)
塾や家庭教師、英語教室はそもそも月謝自体が高い傾向。お子さんの成績アップや苦手克服、そして将来的な中学受験を考えているご家庭は高くても通わせているようです。
スポーツ教室・スクールの費用
- 野球
(月謝、グローブ、金属バット、スパイク、バックで初期費用10万円) - スカッシュ
(選手コース、レッスン月々17600円) - スイミング
(月謝、指定水着などで月12,000円) - テニス教室
(月謝、施設利用料で月8,800円) - 水泳教室
(月謝のみで7,000円) - サッカー
(月謝・靴・ユニフォームなど含めて月5000円)
※合宿がある月は20,000円
スポーツ系の習い事は、月謝のほかに用具代・場所代がかさんでしまう傾向が強いようです。また人気のスイミングスクールをはじめ、個別指導やレッスンプロが付くものは月謝が1ランク上がります。
定番の習い事(文化・芸術系)の費用
文化・芸術・定番の習い事系
- プログラミング教室
(月謝20,000円) - ピアノ
(月謝10,000円) - 韓国語教室
(授業料で6,000円) - ダンス
(月謝3,500円) - 陶芸教室
(教材代・先生代で3000円)
人気の高いピアノ教室やダンススクールは、グループレッスンか個人レッスンかで料金に幅があるようです。一方、そろばんや習字は用具代が安いため比較的リーズナブル。
子どもの習い事、月謝が高くても通わせた理由は?
どうしてこれほどお金がかかるのに、通うことになったのでしょうか?ざっくり2パターンに分けられます。
- 親御さんの教育方針というパターン
- 子どもが自発的にやりたがったパターン
きっかけこそ違いますが、どちらもママパパがお子さんの事を考えて習い事を決めているケースがほとんど。
親御さんの教育方針で習い事を決めるケース
お子さんが小さいうちは、やはり親御さんの「こんな子に育ってほしい」という願いが大きいようです。
- 私が泳げない経験があり体育の水泳の授業がとても辛く子供にはそういう思いをさせたくなかったので。
- 志望校の大学の模試の判定が悪かったからです。
- 中学受験を考えていて、その学びと考えるとそれくらいのかかってしまうのは仕方がないかなと思うからです。
- 詳しい友達にすすめられたから。
- 泳げないよりは泳げたほうがいいと思ったから。
- 勉強を楽しいと思えるようになって欲しいから。
- 英語オンリーの習い事版インターナショナルスクールで過ごす時間を考えると割安だったから。
- ぜんそくがあったので、身体を強くするため。
- 泳げるようにさせたいし体力がつくからです。
- 英検準2球を小学生の間にとらせたかったので。
- 運動不足を解消させたかった、目が悪いので訓練になると聞いたから。
- 今のようなネット社会でも字がきれいなのはやっぱりいいと思いまして、そして自分も、小さい頃習っていたので。
- 子供の心身の発達や社会性向上に役立つと思ったからです。
- 小さいうちの方が聴覚が発達しやすく言葉を覚えやすいから。英語ができると、進学先や就職先の選択の幅が広がるから。
- 私が英語が苦手だったので、苦手意識を持たないように習わせたかったから。
親御さんから習い事を勧めるのは、将来のためや苦手克服を目的にしている理由が多いようです。学校の成績だったり、泳げない苦労だったり、体力作りだったり…といった先を見据えた意見が目立ちました。
お子さんがやりたいものをやらせてあげるケース
一方、子ども本人からやりたいと始めたパターンも数多くあります。
この場合はお金うんぬんの話でなく「やりたいものをやらせてやりたい」という親心が垣間見えます。
- 友達がこの塾に行っているので、子どもが行きたいと言った。
- スカッシュが好きだから。中学での部活の練習が厳しそうなので慣れるため。
- 本人が「サッカーをやりたい」というので、やりたいものをやらしてあげたいと自分も嫁も思っていたため、高くても通わせることにしました。
- 子供のやりたい事をやらせてあげたかったから。
- 本人が成績を上げたいと言い出し、親としては塾へ行かせるよりは家庭教師が良いと思ったからです。
- 子供がやりたいと言ったから高くても通わせています
- 水を怖がっていたので、水に慣れるため。喘息持ちなので呼吸機能改善のため。泳げるようになりたいと子供が強く望んだため。
- 子供が珍しくやる気になってしっかり取り組んでいるから。
- 本人からやりたいと言われて始めた習い事だったから
- 本人がやりたがったことと、親の私もやって欲しい習い事の1つだったから。
- 子供が大好きなことだったから、またダンスは体幹を鍛えられるので。
- 子どもが野球をやりたがっていたため意見を尊重して始めさせた。
- 英語とダンスを一緒に学習できるし、子どもがやりたがったから。
- 子供達がやりたい。って言ってたのと、一番上の子が公文の数学だけをしていましたが、高校行っても数学に困ることはなく、成績上位を取れていたので、無駄にはならないと思ったからです。
- 野球は本人がやりたがった、公文は私が通わせた。
小学校中学年~高学年になると視野が広り、子どもから「これやりたい!」と自主的に通いたがる子が多くなります。学校で経験したものの延長から興味を持つこともあれば、テレビやYouTubeなどがきっかけになる子も多いでしょう。
また、お友達が通っているからというのも理由として目立ちました。小学校で出会う友達は一生の付き合いになることも多いので、この時期にたくさんコミュニケーションを取れる場所を提供するのも大切なことです。
子どもの習い事にいくらまでなら出せる?
とはいえ。
本音はいくらでも出してあげたいけど、捻出できるお金は現実的に限界がありますよね。実際、他のご家庭はいくらまでなら出せると考えているでしょうか。
子どもの習い事代はいくらが理想か
お子さん全員分(きょうだい含む)の習い事代として、世帯でいくら以内なら理想か。30世帯の「これくらいがいい」というラインを伺って集計してみました。
きょうだいの人数によりますが、10,000~20,000円前後を想定しているご家庭が多いようです。子ども一人当たり10,000円程度という認識で、学費のほかに無理なくコントロールできる範囲でやりくりできるのが理想でしょう。
習い事の費用と年収との関係
子どもの習い事に出せる金額は、年収の5%程度が理想と言われています。
これを年収ベースで落とし込んでみると、月謝+諸費用に出せる月の予算モデルはおおよそ以下の通り。
年収 | ×5%換算 | 月の予算 |
250万円 | 125,000円 | 約10,000円 |
300万円 | 150,000円 | 約12,500円 |
350万円 | 175,000円 | 約14,500円 |
400万円 | 200,000円 | 約17,000円 |
500万円 | 250,000円 | 約20,000円 |
600万円 | 300,000円 | 約25,000円 |
こうして計算すると、上記の理想的な金額を捻出するには世帯年収で350万~500万円程度は欲しいところ。もちろんお子さんの人数や習い事の種類によりますが、2馬力の共働きで稼いでいるご家庭が多いのも納得の結果となりました。
子どもの習い事の費用捻出、どうしてる?
現実的に足りない部分をどうカバーしていくか?お金のやりくりも親御さんの悩みのタネですよね。
子育ての先輩ママパパたちに『子どもを習い事に通わせるためにやっている工夫』を聞いてみました。
生活費を節約!
- 電気代の節約、外食を極力減らす。
- 倹約生活を常に意識する。
- できるだけ外食をやめる。
- 特売品をかって節約をする。
- 日々節約生活をしています。
- 買い物に行く日を工夫する(ポイント10倍dayなど)
- 会社の一つ前の駅で降りるなど交通費を節約した。
- 外食やお惣菜を買わずに、自炊をする。
浪費を控える!
- 夫婦のお小遣いを削る。
- お酒の飲む量を減らし出費を抑える。
- 晩酌のつまみをやめた。
- レジャー費用を出来るだけ抑える。
- 外食をあまりしないよう心がけていた。
- 車の使用頻度を減らし、徒歩や自転車を使うようにした。
パートで働いて捻出!
- 私のパート代は教育費と決めています。
- パートの日数を増やす。
自宅でできる事でコツコツ!
- 隙間時間で在宅ワーク。
- クラウドワークスなどでスキマ時間に少しでも稼ぐ。
- ポイ活をする。
- いらないものをメルカリで売る。
投資で増やす!
- 資産運用で稼ぐ。
- 副業や投資信託で稼いでいます。
- 今までの自分の貯蓄を投資に回す。
まとめ。習い事は無理のない範囲で計画的に
- 習い事にかかる費用の平均は13,607円
- 習い事にかける費用は年収の5%程度が目安
- 習い事の種類・子どもの人数によって費用は大きく変わる
- 費用が高くても子どものために頑張って捻出するママ・パパ多数!
子育てと切っても切れない習い事の費用。
どれくらいお金をかけるのが正解かは、各家庭や子どものやりたいことによって違います。月謝だけで決めずに本人の興味・関心、将来に役立つかどうか、どんな人とコミュニケーションを取れるか…など、いろいろな視点で選んでくださいね。